2019/05/14

Singin’n for your smile

数年ぶりにここを更新します。
SNSの更新など、色んなサービスに自分の日々を散らして行くたびに、言葉を長く綴る機会が減ってきました。

「文章にするなら歌詞にすべきか?」とか、
「文字よりも音で伝えるべきか?」とか、
伝え方を考え悩むうち、本来伝えたかった言葉は風に吹かれて飛んでいってしまう。

思った事を、どんなカタチであれ、どこかに発信して残しておく事が大事なのかもしれないなと思い、書き残して行こうと思います。


さて、昨日。
Calmeraは、初ライブをしてから13年が経ちました。
長く応援してくださる方も、最近知ってくださった方も、本当にありがとうございます。
皆さまのおかげです。

 8枚目のアルバム"The Party "に収録された「Singinn for your smile
この曲はタイトルの通り、僕らのステージから見てきたお客さんへの感謝とも言うべき曲です。


とある料理を作るのが好きな男が、作る楽しみから料理人になり、おいしい料理作りに没頭した。
あらゆる食材を学び、あの技この技を習得した。

そして、あるとき男は、お客さんが美味しそうに食べる顔に夢中になっていく。
仕事帰りの疲れたサラリーマンか、愛が生まれる前のカップルか、仲睦まじい老夫婦か。
それぞれの人生のその瞬間、幸せだと思える料理を出すこと。
それがおいしい料理なんだと思うようになる。
彼は今日も、オープンキッチンから、お客さんとしゃべり、顔を見ながら、一人一人の心に響くような料理を作るのでした。


音楽家って、店舗を持たない料理人のようなものだなと思うのです。

音聴いて喜んでくれる。
笑顔になってくれる。
リラックスしてくれる。
ライブを見てはしゃいでくれる。

そんなお客さんがいるから、僕らもまた心を込めて音楽を届けに行こうと思う。

お客さんの顔を直接見られる仕事で良かったなぁと心から思います。


Singinn for your smile」はそんな想いが芽生え始めたバンドが作った曲です。
そして、あの頃から何度も何度も演奏して、感じながら演奏してる曲です。


それでね、
最近、僕はお客さんとスタッフの笑顔を見るようにしているのですね。
側で一緒に作ってくれるスタッフが楽しそうである事って一つのバロメーターのように感じていまして。

おかげさまで、昔はメンバーだけで回っていたツアーも、マネージャーや音響さん、照明さん、イベンターさん、バイトさんまで。
色んな人達と仕事出来るようになりました。

その人達も楽しんでいるかな?って思うのです。

僕らより大変なこともいっぱいあると思うんです。
それでも、今日はいい仕事したなと思ってくれるように、僕らができる事はなんだろうなぁと。

お客さんを楽しませる事も、良いライブをする事も、当然の課題で。
それ以上に、出来ることって何かなぁと。

そこまで考えなくても良いのかもしれない。
けど考えるから面白くなる様な気がするのですね。

だからね、
僕の中の「Singinn for your smile」は今、スタッフチームに向けられています。笑

視点が、お客さんを通って、スタッフに戻ってきて。何度も堂々巡りして、今はそんな視点です。

もしくは、まだ僕らと出会ったことない顔も知らない誰かに。

僕にとっては、僕以外の誰かが笑ってる事が嬉しい。それが知らない誰かでも良い。それも面白いじゃない。不思議なことで、僕は楽しい。

つまりは、僕が楽しいからSinginn for your smileという事なんですけどね。


そうやって、見えるところから、見えない向こうの向こう、果ての誰かが笑ってくれるよう、楽器を弾き、時には歌う。時にはふざける。

それがエンタメジャズというかたちなんだと、13年経って改めて思ったりしたのでした。




1 件のコメント:

  1. 読んでいて、とても感動しました。
    お客さんを喜ばせたいとゆうきもち以外に、スタッフさんを気づかうきもち、、(T-T)
    あつしさんの優しさが滲み出ている気がします。
    これからも、liveに通わせて
    頂きます🎵(*´∀`*)

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